レビュー "数値計算: 洲之内著,石渡改訂,サイエンス社"

今読んでる本、"数値計算: 洲之内著,石渡改訂,サイエンス社"
豊富な例題が並んでるのはありがたいけど、
数学の厳密性に関しては、かなり不満がある。

(2017年3月19日追記)
誠に申し訳ございません。m(__)m
下記の記載は私の間違いでした。
関数gが縮小写像のとき、gは連続関数です。(縮小写像の定義から、連続性が示せるという意味です。)
ですから、この本の定理のSentenceは正しいです。
(追記ここまで)

縮小写像の定理のSentenceが、
ゆるゆる過ぎて、かなりストレスが溜まっている。

縮小写像の定理の前提で
「閉区間IからIへの関数g」
と書かれていて、

証明で、「gはI上で連続である」
と書かれている。しかし、定理の仮定には連続性が書かれてない。

たしかに定理の直前の具体例でgは連続関数だけど、
(抽象化された)定理は、その中で完結していないとおかしい。

定理の前提で「閉区間IからIへの連続関数g」
と書く必要がある。

数値計算,洲之内著,石渡改訂,サイエンス社 を読む (1) - nibosiiwasi’s blog
でも書いたけど、この本はなぜか仮定が抜けてたりするので、油断できない。

数値計算の具体例を知るには良いと思うが、
数学の定理を(この本を信頼しきって)勉強するのはお勧めできない。